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司馬 遼太郎『街道をゆく (40) 台湾紀行』 [エッセイ]


街道をゆく (40) (朝日文芸文庫)

街道をゆく (40) (朝日文芸文庫)




40巻目になった『街道をゆく』
今回は台湾紀行です。

今更ながら驚いたというか、改めて知ったのは、
台湾が50年間も日本の国土だったということです。

しばらく前に台湾の李登輝前総統の入国問題がありましたが、
李登輝さんも日本人として日本の大学を出られたのでした。

その後、日本の敗戦により、台湾は中華民国政府が支配しましたが、
これは台湾が中国に復帰したという性質のものではなく、
大陸から渡った政府が台湾を支配したということだったそうです。


台湾では同じく植民地支配された朝鮮に比べ、反日感情が少ないのは
そういう統治の歴史に由来するのだということも知りました。


驚くことに台湾では今でも日本語を公用語としている民族がいるそうです。

近くて近い国、
台湾については、そう言えるのかもしれません。



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島田 ゆか『バムとケロのさむいあさ』 [絵本]


バムとケロのさむいあさ

バムとケロのさむいあさ




以前にも紹介しましたが、このシリーズはとても絵がきれいで楽しい絵本です。



私は最近、この本で娘と二人で「ヤメピさがし」という遊びをしています。


バムとケロの家に飼われているのか、ただ住んでいるだけなのか。
小さな犬の姿をした生き物の名前が「ヤメピ」。
物語のいたるところに登場し、ストーリーとは関係なくマイペースで生きています。

よく見ないと見逃してしまいそう。
一生懸命に捜さないとついつい見逃してしまうのです。

見逃さないように、娘は目を皿のようにしてヤメピを探しています。
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ジョイス『ダブリン市民』 [小説]


ダブリン市民 (新潮文庫)

ダブリン市民 (新潮文庫)




司馬遼太郎の『街道をゆく 愛蘭土紀行』にあった言葉
「ジョイスこそダブリンそのものではないか。」
という言葉に興味惹かれて、ジェームス・ジョイスの作品を読んでみようと思いました。

そこで選んだのはこれ。
まさにジョイスの時代のダブリンの雰囲気を切り取った作品集だそうです。

しかし、読み進めてみても今ひとつ入り込むことが出来ませんでした。

ジョイスの作品は諧謔や言葉遊びパロディーに満ち溢れて読むものを飽きさせないとか。
まずはジョイスの時代の常識を身につけ、原文で読みこなさいない限りは、
ジョイスの良さを味わうのは難しいのかも知れません。

司馬遼太郎でさえ『ユリシーズ』には歯が立たなかったそう。
自分が読みこなせないのは仕方ないことです。

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司馬 遼太郎『街道をゆく 30・31 愛蘭土紀行Ⅰ・II』 [エッセイ]


街道をゆく 30 愛蘭土紀行I (朝日文庫)

街道をゆく 30 愛蘭土紀行I (朝日文庫)




街道をゆく 31 愛蘭土紀行II (朝日文庫)

街道をゆく 31 愛蘭土紀行II (朝日文庫)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/03/06
  • メディア: 文庫



『街道をゆく』のアイルランド編。
この巻で特に印象深いのはジェームス・ジョイスに言及しているところです。

「彼こそダブリンそのものではないか。」
著者はジョイスについてそのように言及しています。

ジョイスの『ユリシーズ』は古今東西の小説で最高の作品と評す向きが多いとか。
ただし、司馬遼太郎をもってしても、「歯が立たない」ものらしい。

そんなに面白いならジェームス・ジョイスの物を読んでみようと、
少々脱線して、『街道をゆく』を中断して、ジョイスの作品を買いに走ったのである。

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山口 由美『消えた宿泊名簿―ホテルが語る戦争の記憶』 [ノンフィクション]





これは多量の一級資料の精密な検証を経て書かれた優れたノンフィクションですが、
それでいて、壮大な抒情詩でもあります。

ホテルを舞台に描いた戦争の裏面史で、題材自体が面白く実に興味深く読めます。

著者は富士屋ホテル創業者の曾孫で、資料を手に入れやすいという特別な立場にあったため、
資料に恵まれたことがこの作品の成功の一つの大きな力なのでしょうが、
それ以上に、自分の育った環境、家族への思いが、この作品を書く大きなモチベーションになったものと思われ、
そういった感情のほとばしりが、文中随所に見受けられます。

今、ホテルのことについて書かせたら、この著者の右に出るものはいないと思います。
冷静な頭脳と溢れ出る感情が融合した稀有なノンフィクションです。

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司馬 遼太郎『ニューヨーク散歩―街道をゆく〈39〉』 [エッセイ]


ニューヨーク散歩―街道をゆく〈39〉 (朝日文芸文庫)

ニューヨーク散歩―街道をゆく〈39〉 (朝日文芸文庫)





司馬遼太郎がニューヨークに行って何を見るのだろう?
『街道をゆく』も39巻目まで読み進みました。

街道を行くシリーズも、アイルランドオランダヨーロッパまで足を伸ばして語られたことは、
多くは日本との関わりでした。
司馬遼太郎はニューヨークというちょっと異質な新世界に何を見出しに行くのかというのは
読み始める前からとても興味がそそられます。



しかし、読み始めてみれば、やはりそこは『街道をゆく』でした。

ダウンゼント・ハリス、ドナルド・キーンといった、日本になじみの深い人物の足跡を訪ね、
ニュー・ヨークという場所も日本と深いかかわりがあることを改めて認識させてくれます。

司馬遼太郎の視点は、世界中どこにあっても揺るぎなく、世界と日本との関わりを照らし出します。
場所は変われど、違和感なくいつもの『街道をゆく』がここにありました。




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渡邉 恒雄『わが人生記―青春・政治・野球・大病』 [伝記・自伝]


わが人生記―青春・政治・野球・大病 (中公新書ラクレ)

わが人生記―青春・政治・野球・大病 (中公新書ラクレ)




現代の日本において、「大物」と言われる人物はどのくらいいるだろうか。
それほど多くないのは確かである。

著者はご存知読売新聞社主。
数少ない大物中の大物である。

中曽根康弘元首相の盟友であったり、
記憶に新しいところでは福田康夫の大連立構想の橋渡しをしたりと
政治的影響力も大きい。

が、この方、野球ファンの間ではすこぶる評判が悪い。


ドラフト廃止や1リーグ制を提唱したりと、
プロ野球ファンの神経を逆なでするような発言を繰り返し、
長年はスポーツ紙に格好のネタを与え続けてきた。


さて、そのような人物は普段何を考えているのだろうということは大いに気になるところだが、
この本は手軽に渡邉氏の思考が判る。

ともすれば、過激な発言をしそうにも思われる氏のイメージであるが、
東大の哲学を出て、長年政治記者をしてきただけあって、
その思考は理路整然、社会を見る目も広く大きく、説得力がある。

後半は闘病記もあって、ほほえましく繊細な渡邉氏の一面をのぞくこともできる。

思いがけず、おもしろい読み物に出会った。



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中村 彰彦『脱藩大名の戊辰戦争―上総請西藩主・林忠崇の生涯』 [歴史]


脱藩大名の戊辰戦争―上総請西藩主・林忠崇の生涯 (中公新書)

脱藩大名の戊辰戦争―上総請西藩主・林忠崇の生涯 (中公新書)

  • 作者: 中村 彰彦
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 新書



とても興味深い本でした。
幕末維新の混乱期に実在し数奇な運命をたどった一大名の評伝です。

林忠崇は大名でありながら佐幕をを通すために自ら脱藩し、戊辰戦争で新政府と戦うという、
実に凄まじい生き方を選びました。
戊辰戦争で敗れた後は一市井人として94歳まで生きましたが、
最初は他の旧大名のように華族に列せられることもなく、
家格再興に尽くすなど、大名であったがゆえの苦悩も多々あったそうです。

直木賞受賞者の作者は幕末が舞台の作品を多々成しているだけあって、
史料の詳細な検証を軽々こなしている様子。

それだけに、史実にしっかりとした裏づけが出来ていて、
信頼性もあり、読み応えがあります。


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司馬遼太郎『街道をゆく〈22〉南蛮のみち 1』 [歴史]


街道をゆく〈22〉南蛮のみち 1 (朝日文庫)

街道をゆく〈22〉南蛮のみち 1 (朝日文庫)




フランシスコ・ザビエルという日本史上ほぼ初めて登場する西洋人について我々が持っている知識というと、「最初のキリスト教布教者」ということでしょう。

では、この人物が実際にどのような人物だったのかというと、ほとんど何も知らないのが私の実情。

この巻はザビエルの足跡を訪ねることが中心で、実に興味深く読みました。
ザビエルはバスク人であったということを皆さんご存知でしたか?
私は初めて知りました。

ザビエルを中心に据え、バスクという文化の特殊性についての推考を重ねる司馬遼太郎ならではのおもしろさ。

「街道をゆく」も22巻まで読み進めると、なんとなく中だるみの感もありましたが、この巻は特に読み応えがありました。


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山口 瞳/開高健『やってみなはれみとくんなはれ』 [食と酒]





この作品は、サントリーの社史として書かれたもの。
社史を書くのに、山口瞳・開高健という大物二人を内部にもっていたというのが、サントリーのすごいところ。

この二人が書く社史なのだから、事項を並べただけのありきたりな社史ではない。
前半は山口瞳、後半が開高健が書いた大叙事詩とでもいうべき仕上がり。
社史という範囲を超え、上質な作品に仕上がっている。
両者とも永く働き馴染みきった会社のことを書いた余裕というものがあるのだろう。
存分に「らしさ」が発揮されている。

そしてもう一人、サントリーの歴史を語る上で欠かせない人物、
柳原良平の挿絵がこの作品を飾り、華やかな彩を添えている。

日本の洋酒の歴史がこのような形で語られたことは、酒を愛するものとしてただひたすら喜ばしい。
実に感動的な作品だ。


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