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小西 政継『グランドジョラス北壁』 [北壁]


グランドジョラス北壁 (中公文庫BIBLIO)

グランドジョラス北壁 (中公文庫BIBLIO)





この本を紹介するのは2回目です。

古書店主という仕事をしていると、一般の方よりは本をよく知っているだろうと思われるようで
時々、「おすすめの本はなんですか?」という内容の質問を受けることがあります。

先日もある若い雑誌編集者と飲んでいる席でおなじようなことを聞かれました。


本というのはなんでもかんでも読めばいいというものではありません。
誰に読んで欲しいのかによって当然おすすめの本は変わります。


誰に勧めればいいのかを編集者に聞くと、ある注目のトップアスリートにお勧めしたいとのこと。

ならば。

どんな分野でもある程度のレベルに達した人間に「自分探し」の本は不必要。
頂点を目指すもののみが必要とする精神というものがあるはず。
そういうアスリートたちに絶対にお勧めしたい本がこれです。


グランドジョラス北壁。
アルプス三大北壁と言われ登頂者を寄せ付けなかった山に挑むものたちの物語。
しかもこれはトップクライマー自らが語った貴重な証言です。

この本の冒頭はグランドジョラス北壁の登頂史に費やされます。
冬のアルプスに登ることが、いかに事前の研究が必要なことなのか、
一つ誤れば死が待っている極限に挑むとはどういうことなのか、
冒頭の研究からその意気込みが伝わってくる感動的なストーリーです。


これはぜひぜひあらゆる分野でトップを目指す人に読んでもらいたい。


トップアスリートに薦める前に自分で読んでみた若き編集者の証言は、
「これはすごい本でした・・・」
とのことでした。

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加藤 保男『雪煙をめざして』 [北壁]


雪煙をめざして (中公文庫 M 197)

雪煙をめざして (中公文庫 M 197)





私は山の本を読むのが大好き。
それも、生死の境を彷徨うような壮絶な物語が大好きです。

雪山での苦闘・遭難、あるいは頂点への到達。
こんな身震いするような物語はなかなか他では味わえません。


それを寒い季節に、暖かいコタツの中で読む。
そんな幸せなことはありません。

この至福の楽しみを広げようと、私は「北壁読書会」なる会を主催していますが、
数多くの勧誘を試みるにも関わらず、ちっとも会員が集まりません。
私の啓蒙活動が足りないのでしょうか。。。
いつも忸怩た思いを抱いておりました。



実はここに紹介する『雪煙をめざして』の著者サイン本が私の店に在庫していました。

ある日、あるお客様がその『雪煙をめざして』を手にとり
「これはすごい!」と声を上げました。

サインには日付があり、それは著者が遭難する直前の日付だったのです。

それからしばし、山の本談義で盛り上がり、
このような本が好きなのは私だけではなかったのだと、
溜飲を下げたのでした。


・日常に疲れている。
・最近感動していない。
・なんでもいいからドキドキしたい。

そういう方々はぜひこの本をお読みください!

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