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重松 清『スポーツを「読む」―記憶に残るノンフィクション文章読本』 [書評]

この本のタイトルを見たとき、
「なんだ?これはオレが書くべき本じゃないのか?」
と私は思いました。
実際、私ほどスポーツの本に触れている人間はそうそういないだろうという自負があります。
なんと言っても私は世界に類を見ない「スポーツ専門古書店主」なわけですから。

それはそれとして、
重松清という名前は以前から気になっていたのです。
ここ数年常にベストセラーの常連ですし、
書店に行けば必ず平積みで「重松清」コーナーがあります。
さらに最近では国語入試問題で取り上げられることも多く、
この作家はそのうち平成の小林秀雄になるのではないか、とも思ったりします。

「これはそのうち読んで見んといかんねぇ」
と頭の中では思っていたのですが、なかなかチャンスがありませんでした。

先日ふと書店で目に入ったこのタイトル。
『スポーツを「読む」』
気になって手にとって見ると著者は重松清。
「これは読まなくちゃいかんぞな!」
という経緯でこの本を読みました。

この本の読んで思ったのは重松清という人は
極めて優れた読み手であるということです。
どんな文章も優れた読み手がいないことには評価されません。
氏はそれぞれの書き手について、極めてまっとうで的確な評価をしています。
ホイチョイプロダクションなどというところまで持ち出すあたり、
まさに書籍に対しての相当の通人といえましょう。

氏の経歴を見ると「早稲田文学」に携わり、編集者を経てライターになったとのこと。
なるほど、優れた読み手であるだけの素養は十分あったわけです。

さて、これだけ優れた文章の読み手が、書き手としてどうなのか?
それは私が改めて言うまでもなく、現在の売れっぷりが証明しているようです。

次に読みたい作家がようやく見つかりました。


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中村 光夫『日本の近代小説』 [書評]

日本の近代小説 改版

日本の近代小説 改版

成島柳北、仮名垣魯文を黎明として、坪内逍遥の『小説神髄』による小説の確立、芥川龍之介の自殺まで。
近代文学が確立され、揺籃期を迎えた時代。
それが、この本が取り上げる時代です。

逍遥、二葉亭、紅葉、露伴、鴎外、透谷、藤村、そして荷風、漱石。
綺羅星のごとく登場した小説家たちを、時系列に取り上げ、
それぞれの作家の時代背景を考証し、存在意義を解説します。

古書を生業としている身にとってはバイブル的な本。
この本を読んでは、日夜次の仕入れに思いを巡らしています。
神棚に祀り上げたいほど、内容の濃い本です。

文学に関連する仕事、研究をしている方。
この本を読んだことが無いと「もぐり」と言われますよ。


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